私も最近『ひまわり』(ぶらんくのーと)を確保したのでプレイしてるんですが、確かにこれは普通に面白い。そこで今日は、同人ゲーム「ひまわり」が「月姫」「ひぐらし」に続くムーブメントにならない(かもしれない)3つの理由という記事の話。
sunagi氏は『ひまわり』が大ムーブメントにならないかもしれない理由を三つあげていますが、私には一番重要な理由が見落とされているような気がします。まあ、あまりに自明のことなので指摘する必要がないということかもしれませんが、それは何かというと、『月姫』や『ひぐらし』と違って『ひまわり』は絵が下手くそではないということです。
同人発で流行した『月姫』と『ひぐらし』の共通点を考えてみましょう。たとえば、伝奇であること、ノベルであること、やけに長いことなどなど。その中で誰でも真っ先におそらく思いつく共通点というのはやはりCGが美しくないというかもっと端的に絵が下手くそであるということです。まあ、全く絵を描かない私がこういうことを書くのもアレですが、この辺は思いっきり自分のことは棚に上げるとして、やはり両方とも絵が上手ではない。
もちろん、竜騎士07の絵は表現力が高いとか何とか、そのぐらいは信者補正があれば言えるかもしれませんが、普通に考えてゲームのCGとしてはちょっと駄目じゃね、とか思う水準ではあるわけです。それと比べて、『ひまわり』の絵は普通に萌えゲーっぽい感じで全然下手くそではありません。立ち絵だってかわいいですし、CGも悪くない。
実際のところ、どちらかといえば『月姫』や『ひぐらし』みたいに絵が下手くそなゲームがあんなに流行したことのほうが疑問です。とりあえず少し理由を考えてみました。
一つ目は原作の絵が下手くそであれば、その補完ということで同人誌を作りやすいという点。まあ、要するに原作より上手な絵で描けばいいわけですから、人気が出る程度の絵師ならば余裕で出来るでしょう。また、二次創作作品というのは普通は原作のファンだからつくるものです。商業作品の同人なんかは全くその通りなんですが、同人作品の二次創作というのはもう少し違う側面もあると思うのです。
私は同人作家ではないので完全に妄想なんですが、同人作家同士には一種のアマチュアとしての同輩意識というか、もっとぶっちゃけて同業意識みたいなのがあるんじゃないかと思うんですよね。そのまんま同人意識というか。それは、作品とそのファンというある意味上下の関係とは違うわけです。仲間意識みたいなものを上手く刺激できれば、まあ盛り上がる、と。そのへんを考えると、逆にやけにパッケージとしてよくできていると「エロゲーメーカーの小銭稼ぎ乙」とかいう話になりかねない。
また、大ムーブメントになるためにはオタク以外のファンも確保する必要があるので、下手くそな絵はオタク的な要素を薄める効果があるといえるかも言えるかもしれません。エロゲーっぽい「萌え絵」だといかにもオタク向けの作品といった感じですが、下手くそな絵だと主に性的な意味でオタク的な要素が薄まる。要するに、萌えないというかかわいくないというか、そういうことですね。もちろん、萌えないというのはオタク向けの商品としては欠点であるわけですが、あまりオタクでは無い人にとってはむしろ手を出しやすいということになるわけです。そこでさらに「萌える」絵を描ける作家たちによって作品の同人誌が描かれることによって、オタクの欲望もカバーされてしまう、と。
最後に簡単にまとめましょう。絵が下手くそな同人ゲームがなぜ大ムーブメントになるのかというと、一つ目は二次創作品が作りやすく、また作る気にもさせやすいということ。そのため下手くそな絵でも二次創作作品によってオタクの欲望は満たされる。また、下手くそな絵はオタク的な要素を薄め一般人にも広がるために足場になる。そして結果として絵の下手くそな同人ゲームはオタクにも一般人にも支持される作品になるのです。そして『ひまわり』はいかにもかわいい萌え絵なのでもしかしたら大ムーブメントにならないかもしれないという話です。
(2008/05/25)
コメント
それによってユーザーとしては期待値が高まるとともに
、評価の信頼性が増すってことじゃないかと。
[ドク]
むしろ同人として自分の絵にデフォルメして描こうと思うと下手な絵より上手い完成された絵の方が資料として見やすいのでありがたいです。
絵よりも伝奇やサスペンスと言ったギャルゲに興味が無い人に如何にアプローチできるかが大事なんじゃないかと。
蛇足ですが
武内崇氏の絵が下手とも同人っぽくないとも思わないんです。塗りは残念な事になってたと思いますが。
[774]
って驚くほどのことでもないかもしれませんが、私はその辺全く経験がないので参考になります。
話が面白くないと売れないというのは当たり前の話として、ただ、それだけではいわゆる「一般人」のところまでは届かないと思うんですよね。
埋もれた名作なんか腐るほどあるわけです、『腐り姫』とか親父ギャグじゃないですが。いわゆるキャズムとかいうやつ。
今回の記事自体はだいたいネタみたいなものですけど、そのへんは興味深いところということで。
[bmp_69]
絵・キャラクター・話・音楽、これらのどこかが下手というか隙があり、どこかが実によくできていて、さらにそれらの相乗効果により商業作品にはない魅力が生まれる。
その魅力に取り付かれた、ある程度の作品を作る能力・意欲を持つ人たち…要するに同人作家ですね、が、その人なりに隙を埋めたり手を加えたりしてまた新たな魅力を生み出し、以下飽きられるまで続く。
というわけで、「ひまわり」や今後現れるであろう同人ゲームたちがいったい何処まで高みに昇れるのか、今後の楽しみでありますね。
[kekeke]
良い意味で同人らしい「味のある絵柄」だと思っていたんですが。
ひまわりの場合、「ロリっ娘宇宙人同棲ADV」ってキャッチで物凄く損してるんじゃないでしょうか。
そもそものとっつきが悪いんじゃないかと。。。
[qwerty]
当然といえば当然なんですが、「ひまわり」の場合も製作元のぶらんくのーとに二次創作を流行らせる意思があるのか、そのために適切なコストを投下するのか、ってあたりが重要なんではないでしょうか。
[通りすがり]
かつ想像を掻き立てる設定や余地がちりばめられている。
あとは流行るかどうかは……それがわかれば誰も苦労しないか。加速度の問題か。
[てと]
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ひまわり以外にも、Chokkan(Jounetsu)とか、他にも色々
神レベルの同人ノベルは増えているんですが、
絵が商業レベルだと「俺の方が上手く描けるぞ!」熱が
発生しないんじゃないですかね?
[シュトルム]