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2006年06月29日

エロゲーヲタに読ませたい現代小説10冊

不意に思いついたので書いてみます。極めてまれにエロゲーをシナリオ目当てで買うというある意味かわいそうな人がいるので、まあ、面白い小説でも、ということで。翻訳で手に入るものを選んでいます。

夜ごとのサーカス アンジェラ・カーター
イギリスの女流作家の代表作。19世紀末のロンドンを舞台として、「翼」を持って生まれたブランコ乗りの女性の物語が語られます。ロンドンからペテルブルク、シベリアまで旅をするサーカス団を舞台に奇想天外なエピソードを積み上げた作品。
フロベールの鸚鵡 ジュリアン・バーンズ
フロベールの素人研究家である主人公が、フロベールにまつわる鸚鵡の謎を追いながら、自殺した彼の妻についての思いを語っていく、という作品。フロベールを読んだことがなくても問題はありませんが、『ボヴァリー夫人』ぐらいは読んでおくとよいでしょう。
ピンチランナー調書 大江健三郎
日本人作家も入れておこうということで。革命グループ間の争いと、その黒幕である大物保守政治家の野望の物語。「森・父」という胡散臭い語り手によるSFもどきの喜劇。
蜘蛛女のキス マヌエル・プイグ
刑務所で、ホモセクシャルの男と革命家が恋に落ちる、という話。色物っぽい感じはしますが、監獄での映画などについての会話を通して、微細な心理の動きが描かれていくまっとうな恋愛小説。
百年の孤独 ガブリエル・ガルシア=マルケス
マコンドという架空の村と、その創設者一族であるブエンディア家の百年の歴史を物語る作品。神話的なイメージと下世話な現実と壮絶な歴史が混交する作品。
雪白姫 ドナルド・バーセルミ
『白雪姫』のパロディと呼んでいいのかは微妙ですが。あらすじらしいあらすじも内容らしい内容もない現代を生きる白雪姫の話。軽い語り口によって煙に巻かれます。
覗くひと アラン・ロブ=グリエ
生まれ故郷の離島に行商に来た男の一日。積み重ねられる緻密な描写といかにも俗悪なSM趣味。現実と幻想を混交させながら、主人公の心理を執拗に描き出した作品。
ロリータ ウラジーミル・ナボコフ
少女に魅了された中年男の話。自意識過剰で変質狂的な男による壮麗な文体。一番魅力的に書かれているのは、何気に死に別れた昔の恋人の回想だったり。最近、新しい翻訳が出ました。
ブリキの太鼓 ギュンター・グラス
三歳のときに体の成長が止まった男の冒険譚。第二次大戦直前のポーランドを舞台として、即物的でグロテスクな現実のあり方を描き出しています。
見えない都市 イタロ・カルヴィーノ
マルコ・ポーロが自らの見聞きした数々の不思議な都市をフビライ汗に語っていくという作品。どこにもない幻想の都市とそれにまつわる対話を通じて、小説、さらには現実の根源的なあり方を再構成していきます。

何か変な小説ばかりを集めた感じですが、現代小説は大体変なので問題はないでしょう。

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