2007年10月20日
なぜ凌辱ゲーの主人公にはとってつけたような過去話や勧善懲悪的なエンドが押し付けられるのか
ななくさ氏から興味深い書き込みがあったので、今日はそれについて書こうと思います。
書き込みの内容をまず引用しておきましょう。
螺旋回廊、脅迫2とプレイしました。随分ハマったんですが、男に暗い過去、暗い未来、しっぺ返しがあったりする。それが嫌なんです。作者の守りと思うんです。凌辱があると、凌辱に文学風な理由をつける。凌辱を書いた自分を隠そうとする傾向があると思うんです。最後まで突っ走って欲しいんです。
確かに、凌辱ゲーの主人公にとってつけたような過去話があるのはよくあることですし、また、いわゆる二次元エンドに代表されるようなとってつけたような逆転エンドが起こるのもよくあることです。実際、ななくさ氏の挙げた脅迫2の悪役にはとってつけたような過去話があったわけです。
なぜそのような不必要というかむしろ邪魔とも思われる要素が凌辱ゲーに含まれているのか、ということを考えるわけですが、ななくさ氏のいうところの作者の「社会的保身」というのはもちろんあると思われます。
ひどい環境で育ったために凌辱者になったとか、復讐かなにかのために凌辱するという考え方というか設定には、そのようなひどい環境で育ったわけではないので、自分あるいは自分たちは凌辱なんかしない、というメッセージというか自分を正当化したいという欲望があるわけです。よく、監禁事件かなんかが起こるとオタクバッシングがあったりしますが、そのときのオタクの反応というか反論と同じようなものですね。自分たちは道徳から逸脱しないように生きているが、あいつは特別というか例外なんだ、というようなやつ。凌辱ゲームにおいては、その凌辱者が例外である根拠としてとってつけたような過去話が準備されるわけです。勧善懲悪的なエンディングが準備されることもまた、凌辱者は罰されて当然であるという道徳的な判断に従っているというパフォーマンスとして説明できます。
というわけで、とってつけた過去話や勧善懲悪は世間に対する正当化というか凌辱作品を作っている自らに対する言い訳として説明できるわけですが、もうひとつ重要な理由があるように思えます。どういうことかというと、凌辱者の過去話や勧善懲悪の話というのは、ワイドショー的な快楽の対象でもあるということです。
凶悪な犯罪などが起こると、ワイドショーでは犯罪者の子供の頃の話などを集めたりするわけですね。卒業文集をあさったり、近くに住んでいる人に話を聞いたり。そして、犯罪者に対しては社会的な正義という観点から勧善懲悪的な物語が押し付けられる。これは、もちろん先に述べた凌辱ゲー作者の場合と同じように社会に対する言い訳でもあるのですが、何より犯罪を犯すような人間はどのような生活をしてきたのかという過去話自体が、下世話で覗き見的な欲望の対象であるからなのです。それと同じことはおそらく凌辱ゲーについても言えるわけですね。つまり、凌辱者の過去話や勧善懲悪はワイドショー的な娯楽としてプレイヤーに提供されている、と。
勧善懲悪的な話の真逆を行ったサドは『ジュスチーヌ』で次のようなことを書いています。
世の中には、動機らしい動機なしに他人の不幸を喜こび、自分の快楽の糧とする奇怪な人間がいるのです。ですから、私は、思い切ってロランの途方もない倒錯した行為を読者の目の前に曝け出してみようと思うのです。それは人間の精神の形成を理解するために、どうしても必要なのです。
「ロランの途方もない倒錯した行為」を語りたくてうずうずしている語り手の姿が見えるようで微笑ましく思える一節ですが、とってつけたような動機付けや勧善懲悪の物語を切って捨てるサドの無神論哲学も垣間見ることが出来ます。周知のとおり、サドの作品に登場する悪人たちは社会的な道徳なんか全く信じないわけですね。神なんか人間が作り出した妄想の産物ですし、道徳や法律は弱者が作っただけの物で、自然の本質は悪であるというわけです。そのためサドの作品は自己正当化としての過去話や勧善懲悪物語からもっともかけ離れたところにあります。
最後に簡単にまとめましょう。凌辱ゲーの主人公にとってつけたような過去話があったり勧善懲悪的なエンドが用意されるのには大雑把に二つの理由があります。一つ目は、凌辱作品を作っている自らについての自己正当化であり、もうひとつはワイドショー的な覗き見の快楽の提供です。
2007年10月01日
『姫巫女 繊月』情報公開
待ちに待った元RaSeNの新作情報来ましたね、『姫巫女 繊月』(縁 -yukari-)。タイトルのとおり、いちおうブランドデビュー作なのに、前のブランドの『姫巫女』の続編というのは微妙な感じですね……というか、独自ドメインぐらいとってから公開すればいいのに。
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『肛戒』レビューアップ
『肛戒』レビューアップしました。なんかあっさり目でTRYらしくない感じですね。
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