海からくるもの
- タイトル
- 海からくるもの
- ブランド
- rouge
- 発売日
- 2003年09月05日
- 評点
- 8/10
- 更新日
- 2003年09月09日
FlyingShine制作のrougeの新作。シナリオが『虜』、『妖獣戦記』の広崎悠意です。かなり期待しての購入。
システムはいつものフラシャノベル。快適です。音楽やボイスも普通ですね。ってか、相澤の声優が北都南だということにエンドロールが流れるまで全然気づきませんでした。特徴ある声の人なのに、まあどうでもいい話です。んで、シナリオ。先史人類の生み出したテクノロジーを発掘し食いつぶすことしか能のない腐った文明。それに対して懐疑を持った若者が主人公です。彼はふとした事件で超能力というか強大な力を手に入れる。それによって変な組織の連中に狙われたりととばっちりを食らったりするんですが、それでも彼は自分なりのポリシーを持ち生き方を探していきます。そして、小さな町のやくざであり、彼の超能力に興味を持つ男がもう一人の主人公。彼ら二人とその能力を中心にして繰り広げられる暴力と死そして再生の物語といった感じですかね。
彼らの持つ能力は文明すらも破壊しうる無制限の暴力であって、常に周囲の人間を傷つけずにはいられません。時にその暴力に酔い、また逆に酷く内省し嫌悪する心の動きは、即物的で淡々としているけれどどこか生々しい文章によって丁寧に描き出されています。彼らの能力を狙う政府機関、そしてその代表であり象徴でもある加賀見と対峙する場面はどれも緊迫感に満ちたものとなっています。能力は腐った文明に死を与え、再生のチャンスを与える鍵として先史人類から残されたものです。まぁ、生きている人間の立場からしてみれば、そんなものをは余計なお世話であって傲慢じゃないかということになるわけで、いかにして死と再生の螺旋から抜け出せるのか、というのが作品の重要な主題となっています。一種の傲慢とも取れる能力の遺産は、いつの日にか死と再生の呪われた螺旋から抜け出して欲しいという希望の祈りでもあって、作品に満ち溢れる暴力はその切実な祈りの凶悪な側面でもあります。二人の主人公は暴力を発揮する能力者としての残酷さを常に持っていましたが、決して生きることを諦めることはなかったし、刹那的な虚無感にとらわれることもなく、常に前に進もうとし、非情な現実からも目をそむけませんでした。
ゲームとしてはパラメーターとフラグによって分岐する普通のノベル。一部のエンディングの条件はやや難しいですかね。まあ、ヒントもあるし何とかなるでしょう。フラシャといえば読むだけのノベルだと思っていたんで少し驚きました。エンディングは呪われた螺旋から抜け出せたものと暴走してしまって抜け出せなかったものそれぞれ複数。トゥルー系のエンド二つはどちらもいいものです。何というか暴力によって全て破壊するのではなくて、腐った文明やら暴力やら全てを経験した上でなおも生き続けるというのが「再生」なのだよなぁ、とか思いましたかね。
んでエロ。CGは教室シリーズでおなじみの真木八尋が原画でしたね。枚数は多くないですが、Hシーン自体それほど多くないので不足は感じませんでした。ノベルなのでテキストは良好。シチュは普通の和姦とレイプばかりで変わったものはありませんでした。文章は普通のシナリオ部分と同じような感じ。全体に淡々としているので抜き目的には使いづらいですかね。即物的で妙に生々しいのは結構癖になる感じで味があって悪くはないと思います。輪姦は一つ、これはかなり痛々しかったです。なかなかやってくれます。アナルセックスは一回。こちらはレイプで痛がるのを無理やり。抜きゲーのお約束で「レイプなのに途中から感じてあえぎまくる」というのがありますが、この作品ではそういうのは全然ありませんでした(三島姉は例外ですが)。基本的に女の子たちは嫌がって痛がって全然感じることもなく玩具のように犯されます。やっぱりレイプはこうじゃないと詰まらないですわな。萌えます。
総評。期待したとおりの優良なノベル。全体に漂う暴力の雰囲気、堅固な世界観がよいです。Hシーンも含めかなりハードな感じですかね。地味で渋い作品です。
bmp_69内のrougeの作品評
- 海からくるもの(8点)
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