CARNIVAL

タイトル
CARNIVAL
ブランド
S.M.L
発売日
2004年05月14日
評点
8/10
更新日
2004年05月17日

やたらと出来のいいアニメが気になったので。

システムはいつものフラシャノベルで快適。音楽、ボイスは普通ですね。オープニングアニメがあること自体は、最近のエロゲでは珍しくもなんともないですが、この作品のアニメは出来がかなりいいです。ポップで明るい仕上がりで、どう考えても作品の内容と合ってないし。まあ、わざとやってるんでしょうが。

そういうことで、シナリオ。いじめっ子を殺して捕まった主人公が、ひょんなことから脱走することに成功し、幼馴染の女の子の家に転がり込む、という話。それで、場当たり的に女の子を犯して監禁したりするというのが、とりあえずの筋立て。それを、語り手を変えながら、主人公やヒロインの半生や心情を含めて語りなおしていきます。主題はかなり重くて、家庭内暴力で壊れていく男の子と女の子の心のふれあい、といった感じですか。その過程は、幼いころから始まって、非常に丁寧に描き出されています。

作品としては、三つのシナリオからなります。一つ目は「CARNIVAL」という、学を語り手としたシナリオ。彼の、ある意味文学青年らしい諧謔に満ちたテキストで、メインの筋やら、そのほかのシナリオの伏線が書かれています。基本的に選択肢・シナリオの分岐が存在するのはこのシナリオだけですね。ここから分岐する、泉のシナリオはなかなかよかったのではないかと。退廃的かつ刹那的で、どう考えても長続きしなさそうですが、まあ、幸せそうだしいいか、みたいな。

二つ目は、「MONTE-CRISTO」。アレクサンドル・デュマの小説のタイトルですね。っていうか、『CARNIVAL』が、デュマの小説を下敷きにしていて、このシナリオの語り手、武がモンテ・クリストの役割のキャラだ、ということかな。ここでは、学と武の半生が描き出されています。何だかんだで、学のことを一番に考えている武の心情がよいですね。理紗に対する微妙な態度とか。まあ、当たり前といえば当たり前ですが。

三つ目が「TRAUMEREI」。夢想という意味のドイツ語、シューマンの曲から取っているんですかね。作中にも彼が精神病院に入院したエピソードが出てくるし。語り手は理紗で、穏やかな筆致で彼女の半生が描かれます。内容は、語るも涙、聞くも涙というか、かなり痛ましいもので、性的虐待によって、彼女の心がゆっくりと壊されていく過程であります。性的虐待といっても、父親は別に飲んだくれのおっさんとかでは全然無いエリートで、悪人というのでもない。そのへんがリアルで痛ましい。

まあ、結局、学と武と理紗の物語でしょうね。彼らが幸せになることは、多分無いんでしょうけれど。他のキャラは脇役もいいところで、エロシーンのためだけに登場している感じすらします。婦警とか、終盤忘れ去られてるし。全体のボリュームも大したことなし。

エロ。CGは可愛い感じでよいのではないかと。枚数はそこそこというか、エロ以外が多いですね。エロはシーン数自体がすくない。で、シチュ。基本的には陵辱・レイプです。拳銃などで脅して、という感じ、武のやつは思いっきり暴力で脅してますが。婦警がノリノリで犯されてるのはちょっと笑いましたね。3Pのやつとか、脅されてるとは思えない調子で。詠美が武に蹴られまくるのなんかはかなりよかったんではないかと。近親相姦の部分は、行為をしている描写やCGはありません。テキストはそこそこですかね。尺は短め、描写は悪くない感じです。アナル関係は全然なし。

総評。なかなか面白かったですね、良作です。こじんまりとまとまっている感じで、ボリューム不足な印象はあります。

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